質問2:気を配っているという方は何かされていますか?
A:オーダーメイドの靴を履いています。
質問3:土踏まずの役割は?
A:歩いたり、走ったりした時の衝撃を吸収するクッションのような役割。
これは「健康を足元から考える会」という講義に来ていただいた115人の方から、講義前に答えていただいたアンケートの一部で、40代男性の回答です。
注目するのは質問3です。
質問3で「衝撃吸収」と回答した人は115人中、じつに108人もいました。
足と健康についての講義に来ていただいてる方達なので、足には大変気を配っています。
ですから、ほぼ全員質問1では「はい」と答えています。
それでも108人の方は、質問3では「衝撃吸収」以外知らなかったのです。
衝撃吸収は土踏まずの役割の一つであって、それだけではありません。
土踏まずには体のバランスをとるセンサーの役割という、あまり知られていないとても大切な役割があるのです。
体のバランスをとる土踏まずは、2本足というとても不安定な姿勢(例:2本足のハシゴはそれだけでは立てることができない)で歩く私たちには絶対に必要なのです。
ですから、2本足で歩くことのできない赤ちゃんには土踏まずがありません。
ちなみに、土踏まずの無いサルやオラウータンもたまに2本足で歩きますが、それは腰を落としたり膝を曲げて体のバランスをとっているからであって、人間のように、スッと立って歩くことはできません。
あなたは土踏まずが人間にしかないことを知ってますか?
土踏まずは片足に3つあるってことを知ってますか?
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足の裏には実は3本の土踏まずがあります。 親指からカカト・小指からカカト・親指から小指にかけての3本です。 それぞれの土踏まずにはそれぞれの役割があり、どれ一つ欠けてもうまく歩いたり、走ったり、立ったりできないのです。
左の図を見てください。3つの土踏まずを色分けしています。 |
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赤色の親指からカカトにかけての土踏まずは体の左右の揺れを制御しています。 |
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青色の小指からカカトにかけての土踏まずは体をひねったりするときの制御をしています。 |
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黄色の親指から小指にかけての土踏まずは体の前後の揺れを制御しています。 |
おわかりですか?3つの土踏まずがあるおかげで、私たち人間は腕や膝を使ってバランスをとらなくても立っていられるのです。
とてもサルやオラウータンには真似のできない芸当ですね。
土踏まずがあるから人間は2足歩行ができ、両手が自由に使えるようになったから、これだけの文明をもつことができて生態系の頂点に立てたのです。
しかし現代人は土踏まずが形成される時期に滑りやすいナイロン製の靴下や足に刺激を与えてくれない靴、アスファルトで固められた地面等によってその形成を阻害しているのです。
本来土踏まずは産まれて初めて立った時から年を重ねて形成され、小学校の高学年頃にしっかりとした土踏まずになるのです。
土踏まずは私たち人間がサルから進化し、文明を手に入れ発展させてきた要(かなめ)です。
しかし、行き過ぎた文明の発展が、逆に私たちの土踏まずを正しく機能させなくして、私たちの体を蝕んで(むしばんで)いる原因なのです。
こんな大切な人間にしかない土踏まずが、もし無くなってしまったら・・・・、それは人間が人間でなくなるということかもしれません(これは言い過ぎ)。
※歩いたり走ったりする時に、何もない平坦な道でつまづいたり転んだりする。
※衝撃吸収剤の入った靴を履いているにもかかわらず、足やヒザ、腰等が痛くなったり、
ふくらはぎがパンパンに張ってしまう。
上記のような人は確実に土踏まずに異常があります
土踏まずに異常があるからうまくバランスがとれなくて転んだり、土踏まずに異常があるから体が歪んで足やヒザ、腰などが痛くなるのです。
ここで気をつけて欲しいことがあります。
上で説明したとおり、土踏まずは片足に3つあるのです。
靴や中敷で土踏まずを強制的に作る場合、1つでも2つでもダメです。
土踏まずは3つ作らなくては意味がないどころか、逆に体のバランスを崩して、体がおかしくなりますよ。
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